2022年の6月から開催されている「UEFAネーションズリーグ(UNL)」。
スペインvsポルトガル、イタリアvsドイツなど好カードが目白押しなのは嬉しいですが、「EURO(ユーロ)と何が違うの?」と不思議に感じる人も多いでしょう。
結論から言うと、UEFAネーションズリーグとEUROの違いは、以下の大会目的に集約されます。
- EURO:ヨーロッパNo.1を決める大会
- UEFAネーションズリーグ:ヨーロッパ全体の底上げを図る大会
メリットが多い一方で、批判的な声もチラホラ。
大会の価値はEUROの方が圧倒的に高いといえます。
UEFAネーションズリーグに込められた3つの目的
EUROとの違いを比較する前に、まずはUEFAネーションズリーグの目的をチェックしましょう。
- 国際大会がない奇数年を解消
- 親善試合より公式戦で真剣勝負を
- 観客動員数&TV視聴率アップ
UEFAネーションズリーグは、2014年のUEFA総会にて満場一致で採択。当時会長を務めていたプラティニが「自画自賛すべき」とまで称賛した大会です。
1. 国際大会がない奇数年を解消
UEFAネーションズリーグの決勝ラウンドは、西暦奇数年に開催されます。
これにより、W杯やEUROのすき間を埋めることができ、毎年何かしらのビッグトーナメントが行われることになります。
- ワールドカップ:2022年、2026年、2030年…
- EURO:2024年、2028年、2032年…
- UEFAネーションズリーグ(決勝):2023年、2025年、2027年、2029年
「奇数年は何もない」問題をUEFAネーションズリーグで解決できるね!
2. 親善試合より公式戦で真剣勝負を
これまで奇数年には国際親善試合が組まれていましたが、各国代表からは「親善試合にはあまり意味がない」という意見がチラホラ。
親善試合だとチームの士気が上がらず、「負けてもいい」という気持ちがどこかに生まれてしまうものです。
そこで公式戦のUEFAネーションズリーグを取り入れることで、各国の真剣勝負が観られるようになります。
- A~Cリーグの最下位は降格、B~Dリーグの1位は昇格
- 各リーグ上位チームはEUROのプレーオフに参加可能(EURO予選敗退時)
各リーグで同じレベルのチームと真剣勝負ができれば、各国代表のレベルは必然的にアップしますね。
3. 観客動員数&TV視聴率アップ
UEFAネーションズリーグという新しいイベントが生まれれば、当然ながら観客動員&TV放映権などによる経済効果も期待できます。
こうして生まれた収益を参加国のサッカー協会に再分配すれば、各国でサッカー振興に充てることができます。
UEFAとしても、EURO、CL/ULに次ぐ「3本目の柱」になるね!
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UEFAネーションズリーグとEURO(ユーロ)の違い
UEFAネーションズリーグの特徴を踏まえると、EUROとの違いは以下のとおり。
大会の重要度としては、やはり歴史もあるEUROの方が上です。
EURO | UEFAネーションズリーグ | |
開催頻度 | 4年に一回 (2024年、2028年、2032年…) | 2年に一回 (2023年、2025年、2027年…) ※決勝ラウンドの開催年 |
スタート年 | 1960年 | 2018年 |
開催地 | 一国のみ (例:2024年はドイツ) | 各国ホーム&アウェイ (決勝ラウンドのみ指定の国) |
参加国数 | 一次ラウンド:24国 本大会:16国 | 全55チーム (Aリーグ16、Bリーグ16、Cリーグ16、Dリーグ7) |
試合形式 | 一次ラウンド:総当たりのリーグ戦 本大会:トーナメント | ホーム&アウェイのリーグ戦 (決勝ラウンドのみトーナメント) |
大会の趣旨 | ヨーロッパNo.1を決める | ヨーロッパ全体の底上げを図る |
全55国がレベル別にリーグ戦を戦うUEFAネーションズリーグには、ヨーロッパサッカー全体の底上げを図るという狙いがあります。
FIFAランク下位のチームでもEUROへの出場チャンスがあることで、大会への意気込みも変わってくるでしょう。
一方のEUROは、あくまでヨーロッパNo.1を決める大会です。本大会に出場できるのは16国のみで、一発勝負のトーナメント方式も大会を熱くします。
EUROは「ワールドカップのヨーロッパ版」と考えるとわかりやすいですね。
UEFAネーションズリーグのデメリット3つ
「いいことだらけ」に思えるUEFAネーションズリーグですが、UEFAネーションズリーグに対する批判的な意見も少なくありません。
- EUROの大会価値が下がる
- ヨーロッパ外の国と親善試合が組みにくい
- 選手や戦術を試しにくい
特にEUROとネーションズリーグをしっかりすみ分けできるかどうかは、今後もUEFAの課題になるでしょう。
1. EUROの大会価値が下がる
UEFAネーションズリーグがあることで、EUROの「特別感」が薄れてしまうのは避けられません。
4年ごとに開催されるEUROよりも2年ごとに開催されるUEFAネーションズリーグの方が身近になり、「UEFAネーションズリーグのリーグAの方が面白い」となってしまう可能性も考えられるでしょう。
また、リーグDのチームにもEUROのプレーオフ参加権が与えられることから、「EUROのレベルが下がる」という声もあるようです。
一発勝負よりもリーグ戦の方が「本当の実力を測れる」気はするね。
2. ヨーロッパ外の国と親善試合が組みにくい
これまで親善試合を組んでいた時期にUEFAネーションズリーグを行うことで、ヨーロッパ以外の国々と試合を組みにくくなってしまいます。
南米、アジア、アフリカなど、地域によってサッカーのスタイルも異なるため、「ヨーロッパだけでかたまってしまう」ことに批判的な意見も多いようです。
実際にブラジルがイングランドに親善試合を断られたケースも。
ブラジルvs日本が実現した背景にはUEFAネーションズリーグの存在がありそうですね。
3. 選手や戦術を試しにくい
失敗やミスが許されない「真剣勝負」となれば、どうしても実績のある選手や堅実な戦術を選びたくなるもの。
そのため、UEFAネーションズリーグがあることで積極的な若手起用や新しい戦術が試しにくくなるのは事実かもしれません。
若手を試せないと、新しいスターが生まれにくい環境になっちゃうね。
UEFAネーションズリーグは日本代表にも影響大
日本とは関係なさそうなUEFAネーションズリーグですが、実は影響大です!
先述の通り、UEFAネーションズリーグがあることで親善試合の枠が激減してしまい、日本代表としてはヨーロッパの国々と親善試合を組みにくくなるのです。
そのため、UEFAネーションズリーグがあることで、どうしても中南米やアフリカ勢との親善試合が組まれることが予想されます。
2022年6月のキリンチャレンジカップは、パラグアイ、ブラジル、ガーナ、チリまたはチュニジアの4国。
ヨーロッパ勢はUEFAネーションズリーグでそれどころではありません。
また、今後の大会には南米のチームが招待枠でUEFAネーションズリーグに参加するのではないかとの見解も。
そうなると、日本代表としてはますます「蚊帳の外」のような状況になってしまうでしょう。
日本サッカー界としては、アジアにも招待枠を設けてもらうか、南米やアフリカなどと手を組んで大会を設けるかなど、何かしらの対策が検討されそうですね。
ヨーロッパや南米と親善試合を組めなかったら、日本のサッカーレベルも上がりにくくなってしまうね!
UEFAネーションズリーグの視聴方法はDAZN一択
気になる視聴方法ですが、インターネット配信サービスのDAZNでUEFAネーションズリーグの全162試合が放送されています。
月額料金(2,250~3,000円)でUEFAネーションズリーグが見放題。さらにラリーガ(スペイン)やセリエA(イタリア)なども視聴でき、サッカーファンとしてはお得感たっぷりです。
\UNL全162試合が見放題!/
リーグA3ではイングランドがハンガリーに敗れ、早くも波乱の予感!
ハイレベルな強豪同士の試合を、好きなだけ見まくりましょう!
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