ブラジルのサッカークラブ「ヴァスコダガマ」をご存知ですか?
1998年には南米王者としてトヨタカップに出場し、ヨーロッパ代表のレアルマドリードと互角にわたりあったことも。
特にたすき掛けのユニフォームはかっこいいと大人気で、ブラジル屈指の名門クラブとして世界的に知られています。
この記事では、ブラジル留学中にヴァスコダガマのサポーターとなり、毎週のようにヴァスコダガマの試合を観戦していた僕が、ヴァスコダガマの歴代タイトルや選手をご紹介します!
- なぜ「ヴァスコダガマ」という名前が付いたの?
- 世界一になったことはある?
- 日本でも有名な選手はいる?
日本語では手に入らない情報もたくさん!偏見は少なめに、熱量は多めでお届けします!
ブラジルのサッカーチーム「ヴァスコダガマ」の歴史
ヴァスコダガマと言えば、大航海時代にインド航路を開拓した人物。ヴァスコダガマは、歴史上の人物の名前がサッカーチームになった珍しいチームです。
ヴァスコダガマの歴史 1:ポルトガル系移民によって創設
サッカーチームのヴァスコダガマが誕生したのは、今から120年以上も前の1898年。ポルトガル系移民によって作られたチームは、母国の英雄の名をとり「ヴァスコダガマ」と命名されました。
正式名称はClub de Regatas Vasco da Gama(CRVG)。フラメンゴやボタフォゴと同じように、レガッタチームから派生したチームだよ!
ヴァスコダガマの歴史 2:黒人選手を採用(人種差別に対抗)
まだ人種差別の根強かった1904年、ヴァスコダガマはブラジルのサッカーチームとして初となる混血系の球団社長Cândido José de Araújoを採用しました。
彼の指導の下に、ヴァスコダガマは黒人選手の採用も開始。ブラジルのサッカー界に根付いていた人種差別を一掃するという意味で、ヴァスコダガマは先駆者的な役割を果たしました。
黒人選手を最初に受け入れたことは、今でもヴァスコサポーターの大きな誇りです。
ヴァスコダガマはリオデジャネイロの名門サッカーチーム
ヴァスコダガマがホームタウンとしているのは、ブラジルのリオデジャネイロ。フラメンゴ、フルミネンセ、ボタフォゴとともに、リオデジャネイロの「BIG4」の一角を形成しています。
ヴァスコダガマの基本情報 1:フラメンゴの最大のライバル
ブラジルで最も人気のあるクラブはフラメンゴですが、フラメンゴにとって「最大のライバル」と言える存在がヴァスコダガマ。
フラメンゴのライバルとしてはフルミネンセも挙げられますが、サポーターの数ではヴァスコダガマがフルミネンセを大きく上回ります。
フルミネンセは「歴史的ライバル」、ヴァスコダガマは「事実上のライバル」といったイメージだよ!
フラメンゴについて詳しく知りたい方は『ブラジル人気No.1「CRフラメンゴ」とは?ジーコなどの歴代選手とタイトル』をご参照ください。
ヴァスコダガマの基本情報 2:本拠地はサンジャヌアーリオ
リオデジャネイロのサッカー場と言えばマラカナンが有名ですが、ヴァスコダガマはサンジャヌアーリオという独自のスタジアムを持っています。
集客人数は約21,000名と少なめですが、ピッチと観客席がとっても近いのが特徴。リオのキリスト像も遠くに見え、開放的な雰囲気が魅力です!
「フラメンゴやフルミネンセはスタジアムがないけど、ヴァスコダガマはスタジアムを持っている」がヴァスコサポーターの常套句
マラカナンについて詳しく知りたい方は『ブラジルのマラカナンとは?マラカナンの悲劇&アクセスを解説』をご参照ください。
ヴァスコダガマの基本情報 3:たすき掛けユニフォームの先駆者
ヴァスコダガマと言えば、ユニフォームがかっこいいのも魅力。今や世界的なトレンドになっているたすき掛けのユニフォームですが、ヴァスコダガマは1920年代から採用しています。
また、ヴァスコダガマは下記のような愛称でファンから親しまれています。
- Vasco(ヴァスコ):リオデジャネイロでは「ヴァシュコ」のように発音される
- Vascão(ヴァスカォン) :ポルトガル語で「偉大なヴァスコ」の意味
- Time da Virada(チーミ・ダ・ヴィラーダ):「逆転のチーム」の意味
- Trem-bala da Colina(トレンバーラ・ダ・コリーナ):「丘の新幹線」の意味
- Gigante da Colona(ジガンチ・ダ・コリーナ):「丘の巨人」の意味
たすきがけのユニフォームとしては、アルゼンチンのリーベルプレットも有名。ヴァスコダガマの国外最大のライバルだよ!
世界一まであと一歩!ヴァスコダガマの歴代タイトル
リオデジャネイロを代表するビッグクラブとして、ヴァスコダガマは今まで数多くのタイトルを獲得してきました。
1998年にはトヨタカップで来日したため、「なんとなく覚えている」という方も少なくないでしょう。
ヴァスコダガマのタイトル:コパ・リベルタドーレス1回
南米のクラブNo.1を決めるコパ・リベルタドーレスにおいて、ヴァスコダガマは1998年に1回優勝を達成しています。
日本の国立競技場で行われたトヨタカップでは、ヨーロッパ王者のレアルマドリード相手に1-2と善戦。終盤にレアルマドリードに追加点を許し世界制覇は果たせませんでしたが、世界中のサッカーファンに強烈な印象を残しました。
後半ではヴァスコダガマがレアルマドリードを圧倒!本当にあと一歩、いやあと半歩及ばなかった…
ヴァスコダガマのタイトル:ブラジルリーグ優勝4回
ブラジル国内リーグでは、ヴァスコダガマは計4回の優勝を経験しています。最後に優勝した2000年以降チームは優勝から遠ざかっており、2011年にはあと一歩及ばず2位に。
2008年、2013年、2015年と3回の降格を経験していますが、いずれも1年で1部リーグに復帰。2020年シーズンは4度目となる降格を経験し、今回も1年での復帰が期待されています。
ヴァスコダガマのタイトル:その他まとめ
ブラジルには州選手権やカップ戦など、たくさんのタイトルが存在します。ヴァスコダガマが過去に獲得したその他のタイトルを一挙ご紹介しましょう。
- コパ・メルコスル:1回(1998~2001年に行われた南米クラブのカップ戦)
- コパ・ド・ブラジル:1回(ブラジルの国内カップ戦)
- カンピオナート・カリオカ:24回(リオデジャネイロ州選手権)
- タッサ・グアナバラ:12回(リオデジャネイロ州選手権の一部)
- タッサ・リオ:11回(リオデジャネイロ州選手権)
タイトル数では、フラメンゴの方が多いのは事実。でもヴァスコの実力は折り紙付きだよ!
ブラジルのサッカーリーグやカップ戦について詳しく知りたい方は『ブラジルサッカーリーグ | 仕組みや人気チームを元在住者が解説!』も併せてご参照ください。
ヴァスコダガマの歴代選手 | ビスマルクにエジムンド
最後に、ヴァスコダガマでプレーしたレジェンド選手をご紹介しましょう。日本で活躍したビスマルクも、実はヴァスコダガマでプレーしたスター選手です!
ヴァスコダガマの英雄:ロベルト・ヂナミッチ
ヴァスコダガマを語るうえで絶対に外せないのが、ヴァスコダガマで計22年間プレーしたロベルト・ヂナミッチ。
1022試合に出場して864点という驚異的な得点力を見せ、ブラジル代表でも活躍。ヴァスコダガマでは通算698得点を記録し、未だに破られることのない大記録となっています。
引退後はヴァスコダガマの球団社長、政治家など、幅広く活動しています。ちなみにヂナミッチは「ダイナマイト」のポルトガル語読み!名前のインパクトすごすぎる。
ヴァスコダガマの英雄:その他まとめ
ヴァスコダガマには、サッカーファンなら誰もが知るスター選手がズラリ!Jリーグで活躍したビスマルクも名を連ねています。
- ロマーリオ(1985~1988年、2000~2002年、2005~2006年、2007~2008年)
- エジムンド(1992年、1996~1997年、1999~2000年、2003~2004年、2008年)
- ベベット (1989~1992年、2001年)
- ビスマルク(1987~1993年)
- ドゥンガ(1987年)
- ジュニーニョ・ペルナンブカーノ(1995~2001年)
- ジョルジーニョ(2000~2001年)
最近のスーパースターと言えば、フランスのリヨンでもプレーしていたジュニーニョペルナンブカーノがいるよ!
ヴァスコダガマはブラジル屈指の強豪サッカーチーム
リオデジャネイロのヴァスコダガマは、まぎれもなくブラジルを代表するビッグクラブの一つ。
ここ数年はなかなか思うような成績を残せていませんが、またブラジルリーグや南米選手権でヴァスコダガマが活躍すれば、ブラジルサッカーもますます熱くなるでしょう。
2021年シーズンは、ヴィッセル神戸のリンコンや鹿島のピトゥカなど、Jリーグにたくさんのブラジル人選手が在籍しています。
ヴァスコダガマからJリーグに来る選手も少なくないので、ぜひ日本で活躍するブラジル人選手にも注目してみてくださいね!
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