どうしてブラジルはこんなにサッカーが強いの?
「サッカーが強い国は?」と聞かれたら、「ブラジル」と答える人も多いでしょう。
ブラジルは、ワールドカップで最多5回の優勝を誇り、「サッカー王国」として常に世界のトップを争ってきた国です。
この記事では、ブラジルに在住経験のある筆者が、現地で実感したり学んだりしたことを交えて詳しく解説します!
ヨーロッパにはない、ブラジルだからこその強さの秘訣もご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
- ブラジルはワールドカップ最多5回の優勝を誇るサッカー王国
- ブラジルサッカーにはブラジル社会が反映されている
- クラブになるとヨーロッパが強いのは資金力の差
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— 長坂ヒロ@ぶら~りブラジル🇧🇷【ブラジル情報ブログ】 (@kamointheworld) December 3, 2022
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世界最強!ブラジルサッカー栄光の歴史
まずはブラジルサッカーがどれほど強いのか、さまざまな数字を交えて紹介します。
ワールドカップにおけるサッカーブラジル代表の栄光
「サッカー世界一」を決める大会、ワールドカップ。ここでは1938年以降のブラジル代表の成績を振り返ってみましょう。
開催年 | 開催国 | ブラジルの成績 | 優勝国 |
1938 | フランス | 3位 | イタリア |
1950 | ブラジル | 準優勝 | ウルグアイ |
1954 | スイス | ベスト8 | 西ドイツ |
1958 | スウェーデン | 優勝 | ブラジル |
1962 | チリ | 優勝 | ブラジル |
1966 | イングランド | グループリーグ敗退 | イングランド |
1970 | メキシコ | 優勝 | ブラジル |
1974 | ドイツ | 4位 | 西ドイツ |
1978 | アルゼンチン | 3位 | アルゼンチン |
1982 | スペイン | 2次リーグ敗退 | イタリア |
1986 | メキシコ | ベスト8 | アルゼンチン |
1990 | イタリア | ベスト16 | 西ドイツ |
1994 | アメリカ | 優勝 | ブラジル |
1998 | フランス | 準優勝 | フランス |
2002 | 日韓 | 優勝 | ブラジル |
2006 | ドイツ | ベスト8 | イタリア |
2010 | 南アフリカ | ベスト8 | スペイン |
2014 | ブラジル | 4位 | ドイツ |
2018 | ロシア | ベスト8 | フランス |
ブラジルはワールドカップ最多5回の優勝を誇る「サッカー王国」だよ!
強いサッカーブラジル代表を彩った名選手たち
ブラジルは、世界的な名プレイヤーも数えきれないほどたくさん輩出しています。
サッカー好きの人はもちろん、サッカーをそれほど知らない方でも名前を聞いたことがある人がほとんどでしょう。
- ペレ
- ガリンシャ
- ジーコ
- ファルカン
- ロマーリオ
- エジムンド
- ロナウド
- ロナウジーニョ
- リバウド
- ロベルト・カルロス
- カフー
- カカ
- マルセーロ
- ネイマール
住んで分かった!ブラジルサッカーが強い3つの理由
では、なぜそこまでブラジルサッカーが強いのか、ここからは具体的な理由を3つ解説していきましょう。
<ブラジルサッカーが強い理由1>国民的スポーツ
ブラジルにおいてサッカーは、まぎれもなく「国民的スポーツ」です。日本における野球なんてレベルではなく、もはやブラジル人にとってサッカーは「血」と言っても良いかもしれません。
もちろん、サッカーにあまり興味のないブラジル人もいますが、ブラジル国民にとってサッカーが「なくてはならないもの」であることは確かです。
そんな基盤を作ったのは、1930年代から1950年代にかけてブラジルのトップに立っていたヴァルガス大統領です。もともとブラジルにはインディオ(先住民)、白人(ヨーロッパ系)、黒人(奴隷)などが混ざり合っており、国としてのアイデンティティが不透明でした。
そんな状況でヴァルガス大統領が「ブラジルのアイデンティティ」として活用したのがサッカーだったのです。彼はラジオを通して積極的にサッカーを放送するよう指示し、1950年にはワールドカップのブラジル招致にも成功。この大会でブラジルは決勝で敗れるものの、サッカーは確実に「ブラジルの大衆娯楽」として広まっていきました。
<ブラジルサッカーが強い理由2>貧富の差
2つ目の理由として挙げられるのが、ブラジルにおける貧富の差です。ブラジルには「ファベーラ」と呼ばれるスラム街があり、経済的格差が深刻な社会問題にもなっています。
貧しい家庭に生まれた子供にとって、サッカーで成功することは何よりの夢。実際、ファベーラ出身からブラジル代表にまで駆け上った選手も出ており、こうした「ハングリー精神」がブラジルサッカーを支えているのかもしれません。
また、ブラジルでは裸足でサッカーをする少年も多いのですが、裸足でプレーすることで、よりボールの感覚をつかみやすくなるのも要因として挙げられるでしょう。
ファベーラの近くを通ると、よく広場でサッカーをしている子供たちを見かけます。ゴールもない、ボールもボロボロの環境ですが、そうした小さな広場からスーパースターが生まれることも。
<ブラジルサッカーが強い理由3>体に染みついたジンガ
3つ目の理由として挙げられるのは、「ジンガ」と呼ばれるブラジル特有のリズム。これはもともと音楽と格闘技が融合した「カポエイラ」から生まれたリズムなのですが、ブラジルの音楽「サンバ」にも共通するところがあり、「ジンガはブラジル人の血に流れている」と例えられます。
一言で説明すると、ジンガとは相手の動きから少しズラす動作のこと。これにより、相手の意表を突くようなステップが身に付きます。口で説明するのは非常に難しいので、よかったら下記の動画をご参照ください。
なぜブラジルに強豪クラブは少ないのか?
ここまでブラジルサッカーがなぜ強いかを解説してきましたが、今度はクラブ単位に目を向けてみましょう。
世界的に有名なサッカークラブと言えば、レアルマドリード、バルセロナ、リバプール、ユヴェントス、バイエルンミュンヘンなど、いずれもヨーロッパのクラブです。では、なぜブラジルのクラブはそれほど強くないのでしょうか?
理由はただ一つ。圧倒的な資金力の差です。ヨーロッパリーグの年俸は、ブラジルリーグの年俸とは文字通り桁違い。そのため、ブラジルリーグで活躍した選手たちは、次から次へとヨーロッパリーグへ移籍してしまいます。(近年は世界トップクラスの年俸で中国リーグに移籍する選手も多数)
サッカー選手年俸ランキング | ブラジル国内 | ヨーロッパ |
1位 | ダニエル・アルヴェス (約3億6000万円) | メッシ (約55億円) |
2位 | アハスカエッタ (約3億3600万円) | ネイマール (約47億円) |
3位 | ガビゴウ (約3億円) | クリスチアーノ・ロナウド (約25億円) |
4位 | ドゥドゥ (約2億5200万円) | フッキ (約24億円) |
5位 | ヂエゴ・タウデッリ (約2憶4000万円) | エムバペ (約21.5億円) |
ヨーロッパ2位のネイマールと4位のフッキはブラジル人。ブラジル1位のダニエル・アルヴェスはバルセロナやユベントスでも活躍したスーパースターだよ!
ブラジルリーグはスーパースターを養成する場所、またはヨーロッパで活躍したブラジルのスーパースターたちが現役を終える場所といった意味合いが強く、1クラブとしては資金面でどうしてもヨーロッパクラブに劣ってしまうのです。
とは言え、クラブワールドカップでは南米代表チームがヨーロッパ代表チームを圧倒することも。サッカーファンならブラジルリーグも見逃せません!
強いブラジルサッカーが完全復活するまで
資金力の差となると、なんだか空しい気分になってしまいますが、それでも世界最高峰のヨーロッパリーグで経験を積んだ選手たちが、ブラジル代表をさらにレベルアップさせているという側面もがあることも確かです。
ここ数年はなかなかワールドカップで結果が出ないブラジル代表ですが、2022年こそは世界一に輝いてくれることを期待しましょう!
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