ブラジル国旗の意味 | 3つの色・星・文字の由来とは？

世界的に見ても、ユニークな形をしているブラジル国旗。ブラジル国民からは「世界一美しい国旗」として愛されている国旗ですが、たった1つの国旗の中にとてもたくさんの意味や願いが込められているのです。

この記事では、ブラジルに10か月の留学経験がある僕が、ブラジル国旗の由来や意味、歴史的背景まで詳しく解説します！明日誰かに話したくなるような豆知識がもりだくさんなので、ブラジルに興味がある方はぜひ参考にしてください。

意外と知らない！ブラジル国旗の意味と由来

ブラジル国旗は、四角・ひし形・丸のすべてが揃う、世界的に見ても非常に珍しいデザインが特徴的。ブラジルでは「金緑旗」という意味で「Auriverde（アウリヴェルジ）」と呼ばれることもあります。

ブラジル国旗の一番の特徴と言えば、やはり緑・黄・青のカラフルなデザインでしょう。一般的にこの3色はブラジルの豊かな自然を表していると言われています。

＜ブラジル国旗の3色が意味するもの＞

がしかし、この説はより馴染みやすいイメージとして世間に広まったもの。歴史的に見ると、緑色は帝政ブラジル初代皇帝ペドロ1世の「ブラガンサ家」、黄色は皇妃マリア・レオポルディナの「ハプスブルク家」を意味しているとされています。

トゥカーノ君

実際ブラジル人に聞いても、ブラジルの自然を表してるって答える人がほとんどだよ。

ブラジル国旗の特徴の一つが、国旗に描かれた無数の星の数々。この星の数は全部で27個あり、それぞれブラジル国内の26州と連邦直轄区（ブラジリア）を表しています。

トゥカーノ君

パラ州だけ白い帯の上にあるのは、1889年当時、赤道以北で一番大きい州だったからだよ！

長きにわたり帝政が敷かれていたブラジルが、ようやく共和制に移行したのが1889年。これは同時に、悲しい黒人奴隷の歴史の終焉を意味するものでもあり、ブラジルが「自由」に向かって動き出した大きな一歩でした。

ブラジル国旗に描かれている星空は、共和制が実現した1889年11月15日、当時の首都であったリオデジャネイロの空を描いたものとされています。

ヒロ

星がデザインされているという意味では、アメリカの星条旗とよく似ていますね。ブラジル国旗も、州が増えれば必然的に星の数も増えることになります。

ブラジル国旗の中央をよく見ると、「ORDEM E PROGRESSO」という文字が刻まれていることが分かります。これは英語で言うなら「ORDER and Progress」、つまり「秩序と進歩」という意味で、フランス人哲学者のオーギュスト・コントの言葉に由来しています。

文字が刻まれている白色の帯は、天球における太陽の見かけ上の通り道「黄道」を意味しており、白には平和という意味も込められています。

ヒロ

ここでいきなりフランスの哲学者が登場するのは、ブラジルがフランスを理想のモデルとして追い続けてきた国だから。共和制を樹立したメンバーの多くが「実証主義」を信奉していたことにも由来します。

日本で国旗を掲揚すると言えば、祝日やイベントのときくらいですが、ブラジル人にとってブラジル国旗はもっともっと身近な存在です。

ブラジルの街を歩くと、ありとあらゆるものにブラジル国旗がデザインされていてびっくりします。マグカップやキーホルダーと言った小物から、カバンや洋服、さらには飛行機まで！これらは決して観光客向けに作られたわけではなく、ブラジル人でもこうしたグッズを日常的に購入します。

ヒロ

我が家にあったブラジル国旗グッズの一部。シャツやユニフォームはもちろん、バッグやシューズまで実にさまざま！これでもだいぶ減りました（笑）

ブラジル人のお家を訪ねると、ブラジル国旗を飾っている家庭がたくさん見られます。外に見えるように飾る家もあれば、家のリビングに飾る家もあり、飾る場所は本当にさまざま。

サッカーの試合があるときなどは外に飾る人が増えますが、何てことのない日にもブラジル国旗を色々なところで目にします。

ヒロ

日本で同じことをしたら右翼？と勘違いされてしまうかもしれませんが、ブラジル人にとって国旗は本当に身近な物です。

ブラジル人はよくブラジル国旗を「世界一美しい国旗」と形容しますが、知れば知るほどカッコよく見えてくるのがブラジル国旗のすごいところ。

世界的に見ても非常にデザイン性の高い国旗だと思いますので、ブラジルに出かけた際にはぜひお土産としてブラジル国旗グッズを買ってみてくださいね！