ポルトガル語「サウダージ」の意味とは?世界で最も翻訳しづらい単語

ブラジル人の生き方

ポルトガル語の「サウダージ」という言葉をご存知ですか?

ポルノグラフィティ『サウダージ』や、J-WAVEのラジオ番組『サウージサウダージ』など、一度は耳にしたことがある方も多いでしょう。

しかし、サウダージはポルトガルならではの単語で、世界的にも非常に翻訳しづらい単語として知られています。

この記事では、ポルトガル語翻訳も手掛ける僕が、サウダージの意味やポルトガル語での用法などを詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてください!

  • サウダージを日本語に訳すとすると?
  • サウダージは英単語で表せる?
  • ブラジル人はサウダージをどうやって使うの?
ヒロ
ヒロ

「サウダージ」は日本人でも誰しもが抱く感情です。「あれがサウダージか」とイメージしながら、ご自身と重ね合わせてくださいね。

サウダージは世界で最も翻訳しづらい単語の一つ

“Saudade”は、もともとイベリア半島で話されていたポルトガル語やガリシア語で生まれた言葉。大航海時代に、長く会えない家族や友人を想って”Saudade”という単語が生まれたと考えられています。

現在ではポルトガル語特有の表現とされており、ポルトガルでは「サウダーデ」、ブラジルでは「サウダージ」と発音されます。

ポルトガル語「サウダージ」の意味とは?世界で最も翻訳しづらい単語

世界の「最も翻訳しづらい単語」第7位にランクイン

イギリスの会社『today translation』が行った調査によると、サウダージは”Most untraslatable word”「最も翻訳しづらい単語」の第7位にランクイン。

これは世界の翻訳者1,000人を対象に行った調査に基づいており、どの単語も他の言語では一言で説明することができないという特徴を持っています。

トゥカーノ君
トゥカーノ君

ちなみに第4位には、日本の関西圏で使われる「なぁ」(同意や共感)が入っているよ。

絵本『翻訳できない世界の言葉』にも登場

2016年に発売され、日本でも大きな話題を呼んだ絵本『翻訳できない世界の言葉』(エラ・フランシス・サンダース著)。

この本では世界中の「翻訳できない」52の単語が紹介されていますが、ポルトガル語のサウダージも登場しています。

ヒロ
ヒロ

サウダージは他の言語では簡単に説明できないほど、様々な感情が混じっています。日本の「わび」「さび」のように、概念で捉えることが大切です!

辞書で調べるサウダージの意味 | 根本は哀愁

「サウダージ」が実際にどのような意味なのか、日本やブラジルの辞書を引用しながら紐解いていきましょう。

ポルトガル語「サウダージ」の意味とは?世界で最も翻訳しづらい単語

サウダージの意味 1:日本語-ポルトガル語辞書

日本においてポルトガル語学習の定番にもなっている『現代ポルトガル語辞典』では、サウダージは下記のように説明されています。

郷愁、望郷、懐旧の念、思慕、ノスタルジー、懐かしさ

引用:『現代ポルトガル語辞典』白水社
ヒロ
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シチュエーションによって対象となる人やモノは様々ですが、過去を懐かしむ「哀愁」が基本と言えそうです。

サウダージの意味 2:ポルトガル語-ポルトガル語辞書

続いて、ポルトガル語でサウダージはどのように説明されているのかチェックしてみましょう。

ブラジルで最も権威のある辞書『Aurério』(アウレーリオ)では、サウダージは下記のように説明されています。

Lembrança melancólica e, ao mesmo tempo, suave, de pessoa(s) ou coisa(s) distante(s) ou extinta(s)

引用:『Aurério』EDITORA POSITIVO

日本語に訳すと「遠く離れたり、すでになくなっている人やモノに対する、メランコリックかつ心地よい思い出」となります。

トゥカーノ君
トゥカーノ君

懐かしむ気持ちと同時に「心地よさ」も強調されているね!単純に「悲しい」ということではなさそう!

サウダージの意味 3:英語-ポルトガル語辞書

最後に、英語-ポルトガル語辞書で「サウダージ」がどのように解説されているかチェックしましょう。

1. longing

2. homesickness, nostalgia

引用:『MICHAELIS DICIONÁRIO ESCOLAR INGLÊS』MELHORAMENTOS

こちらも日本語に訳すと「1. 切望すること。2. ホームシック、ノスタルジー」となります。

3つの辞書を比較すると、日本語や英語では「哀愁」が強調されているのに対し、ポルトガル語の辞書では「哀愁」だけでなく「心地よさ」にも言及されていることが分かりますね。

ヒロ
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この複雑さこそが、「サウダージ」の翻訳が難しい一番の原因と言えるでしょう。

ポルトガル語「サウダージ」の実際の使い方

「哀愁」だけでなく「心地よさ」も含まれることを頭に入れて、実際にブラジルで「サウダージ」がどのように使われているのか、具体的な用法をチェックしましょう。

ポルトガル語「サウダージ」の意味とは?世界で最も翻訳しづらい単語

サウダージが使われるシチュエーション

ブラジル人は日常会話の中でも頻繁にSaudade「サウダージ」という単語を用います。主に使用するシチュエーションは下記の通り。

〈「サウダージ」が使われるシチュエーション〉

  • 誰かに会えないとき
  • 今は亡き人を想うとき
  • 過去のひと時を思い返すとき
  • 故郷を想うとき
  • 長らく何かを食べていないとき

サウダージを感じる瞬間は、ブラジル人に限らず日本人にも必ず存在します。

「あの時はよかったなあ」、「あの人いまどうしてるかなあ」と考えたことがあれば、それこそまさに「サウダージ」に近い感情だと言えるでしょう。

トゥカーノ君
トゥカーノ君

その「哀愁」の裏には、どこかしら「心地よさ」も存在しているはずだよ!

サウダージを用いた例文

ブラジル人はSaudade「サウダージ」という言葉が大好き。毎年1月30日は「サウダージの日(Dia da Saudade)」と定められているほど、ブラジルの日常に深く根付いています。

実際にポルトガル語でどのような表現が使われるのか、代表的な例文をご紹介しましょう。

〈Saudade「サウダージ」が使われるポルトガル語の例文〉

  • Estou com saudade de você.「あなたを恋しく思う」
  • Vem matar essa saudade.「このサウダージをやっつけに来て(会いに来て)」
  • Vou morrer de saudade por ela.「彼女が恋しくて死にそうだ」
  • A saudade dói.「サウダージが胸をしめつける」
  • Que saudade.「なんてサウダージだ」
ヒロ
ヒロ

久々に友人からメッセージが来た時には、必ずと言っていいほどSaudade「サウダージ」という単語を使っています。

サウダージの意味は「哀愁」+「心地よさ」

「翻訳しづらい単語」にも数えられるサウダージですが、なんとなくニュアンスを掴むことはできたでしょうか?

サウダージには「会えなくて悲しい」という哀愁だけでなく、どこか心地よさを伴うのが大きな特徴です。

「サウダージ」という単語の意味を理解するには、ブラジルの文化や社会への理解が欠かせません。実際、ブラジルの音楽「ボサノバ」の名曲には『Chega de Saudade(想いあふれて)』という曲も。

ぜひ『ブラジル音楽の超有名曲7選 | 各ジャンルの特徴まとめ』や『【男女別】ブラジル人の恋愛観 | 恋人未満の「お試し期間」とは?』も参考にして、ブラジル文化に根付いた「サウダージ」に触れてみてくださいね!

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