時間に正確なことで知られる日本人ですが、対照的にブラジル人は「時間にルーズ」というイメージがつきもの。実際、「職場のブラジル人がルーズ」「ブラジル人の友達が時間を守らない」と困った経験がある方も多いのではないでしょうか?
ブラジル人の時間感覚は日本人の時間感覚とはあまりにもかけ離れているため、頭ごなしに叱るのではなく、まずはそれを理解してあげることも大切です。この記事ではブラジル10か月留学で時間感覚の違いに大いに戸惑った経験のある僕が、ブラジル人の驚愕の時間感覚について解説します!
- なぜブラジル人は時間にルーズなのか?
- 街中でも感じることのできる、ブラジル人の時間感覚
- 留学中に体験した衝撃エピソード
ブラジル人の時間感覚がルーズなのは気候の影響?
ブラジル人と言えば「陽気・大らか・ルーズ」といったイメージをお持ちの方が多いかと思いますが、確かに多くのブラジル人にこうした性格があてはまります。
ブラジル人が時間にルーズな理由は暑いから
ブラジル人が時間にルーズである理由に、熱帯の気候が挙げられます。これは「暑い地域の人ほど時間にはルーズ」という傾向に基づいたもので、世界的にも多くの論文で立証されているようです。
日本でも、沖縄の人は時間にルーズなイメージがありますよね?ブラジルでも南部(寒い地域)に比べ、北部(暑い地域)の人の方が、より時間にルーズなイメージが強くあります。
日本でもなかなか抜けないブラジル人の時間感覚
「郷に入っては郷に従え」というのが海外移住の鉄則だとは思いますが、時間感覚のように体に染みついている感覚は、矯正するのになかなか時間がかかるものです。日本に来たばかりのブラジル人が時間にルーズなのは、このためでしょう。
日本人でも海外に出ると「日本クオリティー」を求めてイライラする人がいますが、これも体に染みついた日本人感覚が働いている証拠だと言えます。頭で理解しようとしても、感覚を直すのは一筋縄ではいきません。
仕事におけるブラジル人の時間感覚
例えば9時始業の場合、日本人なら「9時から働き始める」と考えるのが常識だと思います。しかしブラジルでは、「9時までに職場に着く」と考えるのが一般的。何ならそこからコーヒーでも飲みながら談笑し、実際に動き出すのは9時半とか10時くらいになります。
ブラジルでも企業のオフィスワークでは分単位でスケジュールが組まれていることも多いですが、どうしても現場の作業などは時間がルーズになりがち。日本の工場で働いているブラジル人も、初めのうちはこうした感覚が抜けないことが多いようです。
ブラジル人の時間感覚<街中編>
それではここからは、ブラジルの社会にまでしっかりと根付いている時間感覚を、エピソードを交えながらご紹介していきます。
ブラジル人の時間感覚:電車やバス
ブラジルの電車やバスには、一応の時刻表はあるものの、時刻表通りに動いていることはまずありません。ブラジル人の感覚からすれば、電車やバスは「来たら乗るもの」であって、あらかじめ時刻表でスケジュールを組んで出かけるなんてことはナンセンスです。
特に都市部は交通渋滞もすごいので、時間通りに走るなんてまず不可能だよ!
ブラジル人の時間感覚:テレビ番組
ブラジルでは、テレビ番組すら時間通りに始まらないことも珍しくありません。もちろん番組表は存在するのですが、9時のニュースが9時半から始まることもしばしば。
近年はかなり改善されてきたとはいえ、録画をする際は予定終了時刻よりも長めに録画しておくのが、今でも習慣としても根付いているようです。
もちろん日本みたいに「~のため30分遅れで放送します」みたいなテロップは出ないよ!
ブラジル人の時間感覚<個人での体験談>
ここからは、僕が実際に体験したエピソードをご紹介します。特にブラジルに着いて最初の3か月くらいは、時間感覚のズレでかなり苦労しました。
ブラジル人の時間感覚:バスの運転手
ある日バスに乗っていると、突然運転手が停留所でもない場所にバスを止め、バスから降りていきました。「もしかしてバスの故障かな?」と思って様子を見ていると、運転手はとある家のインターホンを鳴らし、中から出てきたお友達と談笑タイム!
お友達から冷たい飲み物まで出してもらいながら10分くらいおしゃべりを続け、その後何事もなかったかのようにバスに戻り運転を再開しました。
乗客は10人くらいいたのですが、誰一人文句を言わないのもブラジルの良いところ。日本なら間違いなく一発アウトですね(笑)
ブラジル人の時間感覚:ライブ
好きなミュージシャンのライブに出かけたときの話。開始時間は9時だったので8時半くらいに会場に到着したのですが、会場はまだ人がまばらで、ステージでもサウンドチェックのようなリハが行われていました。
9時になってももちろんライブは始まらず、実際に始まったのは10時過ぎ。それでも会場は5~6割くらいの入りで、満員になったのは11時くらいでした。
10時半にやってきた隣のおばちゃんが「なんでもうライブが始まってるの」と怒り気味だったのには、さすがに衝撃を受けました。笑
ブラジル人の時間感覚:友人宅を訪問
お世話になっていたホストファミリーと友人宅へ出かけた時の話。「4時にお家に来て」という話だったのですが、4時になっても一向にホストファミリーは準備する気配がなく、家族で家を出たのは4時半過ぎ。そしてそこから家族でビーチに行き、まずは海水浴を満喫しました(笑)
友人宅に6時頃に到着すると、なんと家主は不在!しょうがないからと近所を散歩し、6時半にもう一回友人宅へ。すると中から出てきた友人から「あら、早かったわね。今帰ってきたところ」という驚愕の言葉が。4時という時間設定はいったい何だったのか・・・。
これは僕がブラジルに着いて1か月くらいの話。ここから「約束は時間通りに行ったら相手にも失礼」ということを学びました。笑
ブラジル人と交流する際は時間感覚を理解しよう!
日本の職場などでブラジル人に出会い、ブラジル人のルーズな時間感覚に困ったことがある方も少なくないかと思いますが、背景には何十年としっかりと根付いてしまった時間感覚があります。
こうした感覚はすぐに改善できるものではなく、順応するのに最低でも数か月はかかるので、どうかイライラせず優しい目で見守ってあげてくださいね。
ブラジル人とコミュニケーションをとってみたいという方は、『 ポルトガル語で自己紹介!便利な基本フレーズ25選とテンプレ 』や『 ポルトガル語になった日本語30選!日本人には想像もつかない意味も 』も併せて参照してください!
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