ブラジルのファベーラとは?個人で観光すると超危険な理由

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貧困の差が大きいブラジルでは、街の至る所に「ファベーラ」と呼ばれるスラム街が存在します。近年はブラジル観光の定番にもなりつつあるので、一度自分の目で見てみたいと考えている方も多いのではないでしょうか?

この記事では、リオデジャネイロに10か月間留学し、ファベーラを近くで見てきた僕が、ファベーラの歴史的背景、貧しいファベーラの現状、ファベーラを安全に観光する方法について詳しく解説します。

  • ファベーラは黒人奴隷が住み込んで生まれたスラム街
  • 本当は治安が良い⁉ファベーラを牛耳るトラフィカンチとは?
  • ファベーラを観光するなら、絶対にツアーに参加すべき理由
  • ファベーラを描いたおすすめの映画

ブラジルの至る所にある「ファベーラ」はスラム街

ブラジルのスラム街は「ファベーラ(Favela)」と呼ばれ、リオデジャネイロだけでなく、ブラジルの街を歩けば必ずと言って良いほど目にすることができます。ファベーラの中を観光する前に、まずはファベーラが生まれた経緯や、内部の現状を知っておきましょう。

ブラジルにファベーラができた歴史

ファベーラの歴史を語る上で欠かせないのが、黒人奴隷の存在です。アフリカからラテンアメリカに連れて来られた黒人奴隷たちは、ヨーロッパ人支配のもと、過酷な労働を強いられていました。

そんな悲しい歴史がブラジルで終了したのは1888年。当時の国王により奴隷解放宣言が出され、彼らは「自由」の身を手にしたのです。しかし、それまで富豪の家に仕えていた黒人奴隷は、家がなければ家を買うお金もない。そこで、彼らは誰も住んでいないリオの丘を切り開き、斜面に自分達で家を作ったのです。

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当時ブラジル各地に駆り出されていた黒人奴隷たちも、リオに戻るや同じような状況に遭遇し、こうしてリオの丘は数多くの「不法住居」で埋まっていきました。

リオデジャネイロ市民の2割はファベーラ住民

ブラジルで最も有名な街リオデジャネイロを例にとると、ファベーラの人口は約140万人に及び、これはリオデジャネイロの人口の約2割に相当します。

中でも最大のファベーラとして知られる「ホシーニャ(Rochinha)」には、なんと約7万人が居住。周囲にはイパネマやレブロンといった高級住宅街があるので、そのコントラストはブラジルの貧富の差を象徴しています。

ファベーラはブラジルの至る所に

よく「リオデジャネイロのどの辺にファベーラはあるの?」と聞かれますが、正直どこにでもあります。リオデジャネイロ北部はもともとファベーラが密集するエリアですが、観光客の多い南部エリアでも、一本道を入るとファベーラだったりします。

大事なことは、オレンジ色のレンガの家々が見えてきたら、それ以上中に入らないこと。勝手に中に入って何かされても、文句は言えません。

ブラジルのファベーラは危険?麻薬ギャングの関係

多くの方が「ファベーラ=治安が悪い」と考えていますが、これは必ずしも正しいとも言えません。そこでキーワードになってくるのが、麻薬取引人のギャング「トラフィカンチ」です。

ブラジルのファベーラとは?個人で観光すると超危険な理由

ファベーラを牛耳るギャング「トラフィカンチ」とは?

各ファベーラには必ずボス的な存在がいて、そのボスのお金によってファベーラの生活基盤が整備されています。ファベーラには基本的に行政のサービスが行き届いておらず、ごみも下水も電気も、すべてボスの資金でまかなわれているのです。

では、どうやってボスがお金を得ているかと言うと、麻薬の取引です。彼らはボス同士で麻薬を取引したり、住人に売買することで多額の富を築いています。こうしたボスたちは「トラフィカンチ」と呼ばれ、時に縄張りを巡ってファベーラ同士で対立することも。ファベーラで銃撃戦が起きる要因の一つは、こうしたボス同士の対立によるものです。

ブラジルにおけるファベーラと警察の抗争

ファベーラで銃撃戦が起きるもう一つの要因が、警察の介入です。ブラジルでは約70年以上も前から「ファベーラ駆逐作戦」が行われており、警察とファベーラの激しい抗争が繰り広げられてきました。

2014年のワールドカップや2016年のリオオリンピックの際には、ファベーラが海外の観光客の目に入らないよう、巨大な壁が建設されたことも。時に麻薬取引人が逮捕されることもありますが、無限のいたちごっこが続いているのが現状です。

ファベーラの治安は決して悪くない?

「ファベーラ=治安が悪い」と思われがちですが、ファベーラ内部は非常に平和だと言われています。家に鍵が無い家も多く、顔見知り同士で平和なコミュニティが築かれているのだとか。ボスは住人にライフラインを提供しているため、住人からの信頼も非常に厚いと言われています。

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警察がボスを逮捕すれば、住民の反感を買う。まさに無限ループですね。

ブラジルのファベーラを観光するならツアーで!

ここまでファベーラの基礎知識をご紹介してきましたが、以上のことを踏まえ、ファベーラを観光する際は絶対にツアーを利用してください!個人での観光は絶対にNGです!

ブラジルのファベーラとは?個人で観光すると超危険な理由

ブラジルのファベーラを観光できるツアー

ファベーラを観光するツアーは非常に人気が高まっており、日本語ツアーも各社から発売されているようです。コストを抑えたい方は、英語でのツアーを予約するのも良いでしょう。また、現地の旅行代理店もほとんどが取り扱っていますので、時間がある方は行ってから比較してみるのもおすすめです。

▼英語の関連サイト▼

Types of Tours
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ブラジルのファベーラ個人観光は絶対にNG

「ツアーではなく、個人でファベーラを観光しよう!」とお考えの方もいるかもしれませんが、これだけは絶対にやめてください!ファベーラには外部の人間が入ってこないよう、見張りを常駐させているところもあり、過去には無断で入ろうとした観光客が射殺されたということもありました。

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日本人観光客が勝手にファベーラでYoutube動画を撮影し、ブラジル政府直々に抗議を受けたということもありました。正直、勝手に入った以上は何されても文句言えませんので、変な勇気を発揮するのはやめましょう。

ブラジルのファベーラを観光するうえでの注意点

以上のことを踏まえ、ファベーラを観光する際の注意点をまとめました。

<ファベーラを観光する際の注意点>

  • ツアーで参加する(大前提)
  • グループを外れて行動しない
  • 個人の家は撮影しない
  • 住人を撮影する際は、必ず許可をもらう
  • 必要以上におしゃれな格好で行かない
ヒロ
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特に写真は誤解を招くこともあるので、十分に注意してください!

ブラジルのファベーラを題材にした映画

最後に、ファベーラについてイメージを掴みたい方に、おすすめの映画をご紹介します。いずれもファベーラを舞台にした映画なので、観光前に鑑賞しておくとイメージが湧きやすくなるでしょう。

ブラジルのファベーラとは?個人で観光すると超危険な理由

<ファベーラを描いた映画>シティ・オブ・ゴッド

リオデジャネイロ西部にある「シティオブゴッド(Cidade de Deus)」というファベーラを描いた映画。このファベーラは今でも実在し、2016年のリオオリンピックでは、このファベーラ出身のラファエル・シルバ選手が女子柔道で金メダルを取り、再び話題になりました。

映画の音楽を手掛けているのは、ブラジルを代表するミュージシャンのセウ・ジョルジ(Seu Jorge)。彼の音楽も必見だよ!

<ファベーラを描いた映画>エリート・スクワッド

2007年に公開され、ブラジル映画の様々な記録を塗り替えた名作。ファベーラと警察部隊との抗争が描かれており、ファベーラの現状をリアルに知ることができます。

この映画が公開されたときは、ブラジル中の映画館が満員になったほど話題を呼んだよ!

ブラジルのファベーラはツアーで観光すれば危険じゃない

「ファベーラはなんとなく危なそう」というイメージを持たれる方は多いですが、ツアーに参加し、気を付けるべきところさえ注意すれば、決して危ないものではありません。繰り返しになりますが、個人でファベーラを観光しようと考えている方は、絶対にやめてください!

ブラジルの歴史や不平等な社会構造を象徴しているファベーラ。その内部を見学すれば、より深くブラジルを知ることができますので、ぜひツアーに参加してみてくださいね。

ブラジルの治安面が気になる方は、『リオデジャネイロ空港から市内へ。4通りのアクセスを元在住者が比較解説』、地域別のベストシーズンを知りたい方は『元在住者が教える!ブラジル観光の地域別ベストシーズンまとめ』もチェックしてください!

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