ブラジルレストランに行けば必ずと言って良いほどメニューにある「フェジョアーダ」。ブラジルでは国民食として愛されている定番料理ですが、日本ではまだまだ知名度も低いことでしょう。
そこでこの記事では、ブラジル在住歴のある僕が、ブラジルの国民食フェジョアーダの歴史や本場レシピ、さらに美味しい食べ方などを詳しく解説します。本場レシピと言っても非常に簡単ですので、ぜひお家でも簡単に本格的なフェジョアーダを再現してみてください!
- フェジョアーダ発祥の背景には黒人奴隷の存在
- 本場フェジョアーダのレシピ&おすすめの食べ方とは?
- フェジョアーダは日本でも簡単に再現できる
フェジョアーダとは?ブラジルでは定番の豆料理
フェジョアーダはポルトガル語ではFeijoadaと表記され、日本では「フェジョアーダ」や「フェイジョアーダ」と呼ばれます。発音は「フェイジョアーダ」の方が正確なのですが、この記事ではより一般的な「フェジョアーダ」という表記に統一します。
フェジョアーダは黒インゲン豆がメイン材料
フェジョアーダはブラジルの国民食として愛されている定番料理。日本食で言うとみそ汁のような存在で、ブラジルの人気メディア『OYO』や『MENU TRIP』では、「ブラジルの定番料理」で堂々の1位にランクインしています。
ブラジル人に「ブラジル料理と言えば?」と聞くと、まず最初に名前が上がるほどの存在です。
本場のフェジョアーダには豚足や豚の耳も入っている
フェジョアーダの特徴として、豚足や豚の耳といった日本では馴染みの薄い食材が使われていることが挙げられます。牛肉、豚肉、脂身、ソーセージ、豚の鼻など、肉のあらゆる部位をたっぷり使っているため、世界的に見ても珍しい料理と言えるでしょう。
今では世界的にもブラジル料理として定着しつつありますが、実はフェジョアーダはブラジルだけのものではありません。ポルトガル、アンゴラ、サントメプリンシペや東ティモールなど、世界中の旧ポルトガル領で今でも広く愛されています。
フェジョアーダのレシピは国によって異なるよ!基本は肉だけど、中にはシーフードを使ったフェジョアーダも。
ブラジル料理フェジョアーダの歴史には黒人奴隷の存在
ブラジルでフェジョアーダが生まれた背景には諸説あるのですが、最も一般的なのが黒人奴隷の間で生まれたという説。これは農場主のために豚肉を献上した後の残りを「ごった煮」にしたのがきっかけだという説です。
黒人奴隷は猛暑の下で肉体労働を強いられたため、不足しがちな塩分を補うために塩をたっぷり入れて煮込みました。フェジョアーダが今でも少し塩辛い味付けになっているのは、こうした黒人奴隷の影響が強いと考えられています。
フェジョアーダ本場レシピを元在住者が解説
ここからは、ブラジルで100万回以上も再生されている人気動画を参考にしつつ、Feijoada Completa「完全版フェジョアーダ」の作り方を解説していきましょう。
フェジョアーダの本場レシピ:材料
動画内で紹介されている材料は以下の通り。豚のヒザ肉や干し肉は手に入りづらいですが、カレーやシチュー用のブロック肉を代用すると便利です。このレシピはブラジルスタイルでお肉たっぷりなので、お好みに応じて量を変えてください。
- 黒インゲン豆:500g
- 水:2.5ℓ
- ローリエの葉:3~5枚(お好みで)
- 玉ねぎ:2玉(みじん切り)
- ニンニク:4~8片(お好みで)
- 豚のヒザ肉:350g
- 干し肉350g
- ベーコン:200g
- ソーセージ:フランクフルトサイズ2本分
- オリーブオイル:適量
- 塩:適量(干し肉を使う際は不要)
干し肉を使う際は、事前に水で塩抜きをしておかないとかなりしょっぱくなってしまうので注意してください。
フェジョアーダの本場レシピ:作り方
材料が準備できたら、早速以下の簡単レシピにのっとってフェジョアーダを作りましょう。圧力鍋があればベターですが、通常の鍋でも十分に作ることができます。その際は豆の固さを見ながら、必要に応じて茹でる時間を延長してください。
- 黒インゲン豆500gを、前もって水に2時間浸けておく
- 黒インゲン豆、水、ローリエの葉を圧力鍋に入れ、沸騰後20分間煮込む
- 別の鍋やフライパンを用意し、熱したらオリーブオイルを適量たらす
- ベーコンを加え、約2分間炒める
- 玉ねぎを加え、黄金色になるまでゆっくり炒める
- ニンニクを加え、2~3分炒める
- 肉全般と塩(適量)を入れ、5分ほどかき混ぜながら炒める
- 火を消し蓋をして待機。2の鍋が完成したら加える
- 沸騰してから約25分間煮込む
通常の鍋を使う際は、前の日から長時間豆を水に浸しておけば、茹で時間を大幅に短縮することができるよ!
フェジョアーダの本場レシピ:おすすめトッピング
フェジョアーダが完成したら、カレーを盛るような感じでご飯の上にフェジョアーダをたっぷりとかけます。最後にお好みでトッピングを加えると、より風味に変化を付けることができますよ。特にオレンジは口がさっぱりしておすすめです!
- ケールの葉っぱ
- ファロッファ(キャッサバ粉)
- スライスオレンジ
本場ブラジル流のフェジョアーダの食べ方とは?
ブラジルの国民的料理フェジョアーダですが、決して毎日食べる訳ではありません。「フェイジョアン」という似た料理も存在しますので、ここでは両者の違いを説明します。
水曜日と土曜日に食べるフェジョアーダ
フェジョアーダは、どちらかというと何かイベントや祝い事などで食べられる料理。家族や友人など大人数が集まってみんなでワイワイ食べるのが一般的です。
また、多くの地域では水曜日と土曜日にフェジョアーダを食べるという慣習も。レストランに行くと「Dia de Feijoada(フェジョアーダの日)」という張り紙が出され、家族や友人でシェアする姿が見られます。
地域によっては日曜日を「フェジョアーダの日」として売り出すレストランもあるよ。
より日常的に食べるのは「フェイジョアン」
水曜日と土曜日以外に、より日常的に食べられるのが「フェイジョアン」。これは簡単に言うと「肉が入っていないフェジョアーダ」で、豆だけのシンプルな味付けが特徴です。
留学していた大学の学食では、ほぼ毎日フェイジョアンが出されていました。フェジョアーダはやっぱり少し特別。
本場レシピでフェジョアーダは簡単に作れる!
ブラジルの本場レシピをご紹介しましたが、作り方自体は決して難しくないと感じられたのではないでしょうか?おそらく日本のカレーやシチューと比べても、工程や手間はさほど変わりません。
もし豆を準備したり茹でたりするのが面倒だという方は、すでに調理された状態で販売されているものもあるので、よかったら活用してください。「まずはフェジョアーダがどんなものか知りたい」という方にとっては、非常にお手軽で便利です。
ブラジル料理について詳しく知りたい方は、『ブラジル料理20選!定番から家庭料理まで元在住者おすすめを解説』や『知らないと恥ずかしい!?シュラスコのマナーと上手な食べ方』も併せて参照してください。
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