アマゾン川に生息している巨大魚「ピラルク」をご存知ですか?
近年は大人気ゲーム「あつまれどうぶつの森」に登場したこともあり、いったいどのような魚なのか気になっている方も少なくないでしょう。
そこでこの記事では、ブラジル在住時を含めアマゾンを2度旅をし、現地でピラルクを食べたことのある僕が、ピラルクの7つの特徴や気になる味を詳しく解説します。
- ピラルクってどこにいるの?
- ピラルクのサイズはどのくらい?
- 食べると美味しいって本当?
- 日本でもピラルクを食べられる場所はある?
ピラルクの味は淡泊で日本人好み!アマゾンへお出かけの際には、絶対に味わいたい定番料理です。
ピラルク以外にもアマゾンの魚を知りたい方は『アマゾン川の魚5選!観光で食べられる巨大魚から危険種まで』をご参照ください。
アマゾン川の魚「ピラルク」はアロワナ科 | 7つの特徴
ピラルクは「アロワナ目アロワナ科」に分類される淡水魚。英語名からアラパイマ(Arapaima)属にさらに分類化されます。
特徴 1:世界最大級の淡水魚の一種
ピラルクの一番の特徴は、「世界最大級」の巨大な淡水魚であること。
下記の数字を見れば、他の魚とは比べ物にならないほど大きいことが分かります。
- 体長:約2~3m
- 体重:約100kg
- ウロコのサイズ:最大約10cm
中には5m級のピラルクがいるという噂もありますが、これはあくまで推測や目撃情報にすぎません。アマゾンで捕獲された最大が2m90cmなので、Max3mと考えると良いでしょう。
上の動画では、体長2m15cm・体重110kgという「モンスター級」ピラルクが釣れた様子がニュースになっているよ!
特徴 2:ユニークな体型
ピラルクは大きいだけでなく、体型もとてもユニーク。
頭部は横に、尻尾は縦に平たいため、体全体がねじれているような見た目です。
- 頭部:横に平たい
- 尻尾:縦に平たい
- ヒレ:腹びれや背びれなどが尻尾側に偏っている
横に平べったい顔がとってもユニーク。しっぽが縦に平たくなっているのは泳ぎやすくするためとも考えられますね。
特徴 3:小さな魚を食べる肉食性
ピラルクは、主に川の中に生息している小さい魚を捕食します。
養殖場では人間が魚を撒きますが、魚を食べるまでのスピードはまさに電光石火!食べ方も非常にダイナミックで、その巨体からは想像もつかないほどです。
アマゾン川のボートツアーでは、ピラルクの実物(養殖)を間近で見学できるものもあるよ!巨体が高速で動くとすごい音!
特徴 4:エラ呼吸&うきぶくろの二刀流
魚と言えば基本的にエラ呼吸ですが、ピラルクはなんとうきぶくろから空中で呼吸することもできます。
これはピラルクが生息する熱帯では、淡水が酸欠になることが多いからと言われています。生存のために独自の生態系の進化を遂げた魚と言えるでしょう。
一方で、呼吸をするために水面に顔を出した時に、人間に捕獲されるというデメリットも。人間からすれば、ある意味「釣りやすい」魚と言えるかもしれません。
特徴 5:生息地はアマゾン川
ピラルクが生息するのは、主に熱帯地域の淡水。
今回主にご紹介するのは南米ブラジルのアマゾン川流域ですが、タイやマレーシアといった東南アジアにも生息しています。
生息するのは川の流れが穏やかな場所。基本的に穏やかな性格で、いきなり人間を襲うこともないよ!
特徴 6:Pirarucuは「紅い魚」の意味
ピラルクはポルトガル語でPirarucuと表記され、これはもともと先住民(インディオ)のトゥピ族が用いていた言葉に由来します。
- Pira:「魚」の意味。
- Urucu:植物の名前。化粧用の紅い色素をとっていた。
PiraとUrucuの2つの単語がつながってPirarucuになったとすると、そのまま「赤い魚」という意味になりますね。
ピラルクは実際しっぽが赤く、「赤い魚」と呼ばれたのも納得できます。
特徴 7:古代から生息する「生きた化石」
ピラルクが地球上に生まれたとされるのは、なんと今から約1億年も前のこと。
ピラルクは1億年という長い歳月を暮らす中で、大きな変化なく現代まで生きていると考えられており、「生きた化石」とも呼ばれています。
1億年前は、恐竜たちが存在した白亜紀。ピラルクがいかに古い生き物であるかが分かるね!
アマゾン周辺ではピラルクが食用に | 気になるお味は?
ブラジルのアマゾン周辺では、ピラルクを食べる文化が広く浸透しています。
結論から言うと、このピラルクはとっても淡泊で日本人好みの味!ここでは実際にアマゾンでピラルクを食べた感想を交え、ピラルクの味をご紹介します。
ピラルクの味はとても淡泊
ピラルクは塩焼きやフライなど、シンプルに調理するのが一般的。特にアマゾンでは衣をつけてフライにするのが一般的で、レモンやライムをかけて食べると絶品です!
白身魚というだけあって、味わいはとっても淡泊。「川魚だと臭みがありそう」と感じる方も多いかもしれませんが、驚くことに臭みはほとんどありません!
現在はピラルクの釣りは禁止
かつては網などを使った伝統的な漁法でピラルク漁が行われていましたが、乱獲により個体数が減少。
現在はワシントン条約が定める「附属書Ⅱ」(取引の規制をしなければ絶滅の危機あり)に指定されています。
そのため、アマゾン地域で食べられるのは、養殖物がほとんど。特別な許可を得た人を除き、アマゾン川でピラルクを捕獲することは厳しく制限されています。
ピラルクのウロコはお土産や爪のやすりに
ピラルクのウロコは最大10cm級のものもあり、アマゾン周辺ではお土産としても人気を集めています。
乾燥して白くなったウロコは、ネックレスやイヤリングにもぴったり。さらに、現地では爪のやすりとして活用されることもあります。
身近な女性向けに、アマゾン観光のお土産として買ってみるのも良いかもしれません。
アマゾンの魚ピラルクは日本でも食べられる!
遠く離れたブラジルのピラルクですが、なんと日本国内にもピラルクを提供しているレストランがあります!
それが 栃木県大田原市にあるなかがわ水遊園の「アマゾンカフェ」。
ここでは「ピラルクのココナッツ煮込み・ライスセット」など、ピラルクを用いた料理が提供されており、日本にいながらにしてピラルクの味を堪能できるのです!(メニューは随時変更の可能性あり)
日本国内でピラルクを味わえたら、海外旅行気分も味わえますね!
もちろんブラジルにお出かけ予定のある方は、ぜひアマゾンに行って本場のピラルクをたらふく満喫してください!
サクッとしたフライの食感に、ピラルクの淡泊な白身が相まって、きっと虜になりますよ!
アマゾンの食に興味がある方は『ブラジルナッツがもたらす15の効果・効能【元在住者が解説】』や『ブラジルの飲み物ガラナとは?健康にもたらす5つの効果を解説』も併せてご参照ください。
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